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旅行好きホテル好きにはたまらん題名
イキナリですが人間って、自分が欲しい(気になる)情報を数ある情報のなかから無意識のうちに取捨選択して、欲しい(気になる)情報だけを抜き取っているらしいです。
つまり何が言いたいかというと、ホテル好きな私がこの本を手に取るのは不可避であったということ!
いくら旅行好きホテル好きとはいえ、庶民の私が可能な旅行はせいぜい年に2回程度…しかもスィートなんてハネムーンですら、成しえなかった夢のまた夢であります。
まぁ、仮に宿泊出来たとしてもちゃんと使いこなせる自信はないんですけどね。
ハードカバーの装丁にドキドキ
棚に収まっているこの本を手に取ってみると、装丁が華やかで一気に気分があがります。
パラパラと見てみたところ、ヨーロッパのブティックホテルがメインみたい。ヨーロッパなんて縁がないのでこの本で思いっきり楽しむことにしました。
想像以上に写真がない!!
この本が出版されたのが2003年。今から15年前です。
ここ最近の本は写真入りも多いけど、昔の本はあっても白黒で申し訳程度に載っている程度。この本も例にもれず、各ホテルのが紹介されるページにちょこんと白黒で添えられているだけでした。。
うーん!勿体ない!!
スマホが普及した今、旅行ブログも星の数ほどあり、しかもホテル好きが運営するブログもある中で、写真がない媒体を読むのは思った以上に不便でした。
最初のうちはググりながら読んでいましたが、段々疲れてきて想像力頼みで読むことに。
61箇所のホテルを取り上げるも…
本書は61箇所のホテルを取り上げているのですが、現在なら東南アジアなんかも食い込んでくるのでしょうが出版されたのが15年前。
取材はもっと前から行われているわけで、取り上げるホテルが歴史のあるヨーロッパに集中しているのは想像に難くないのですが、いかんせん私のヨーロッパオンチ(全て同じに見える病)が発揮されてしまいまして。。どのホテルも個性的なホテルなはずなのに、読み進めていくと同じようなホテルが出てきて記憶がゴチャゴチャに!!古城ホテルもいくつも出てきまして、混乱しました。。これは完全に読み手が悪いんですけどね!
上品な女性らしい文章で惹き込まれる
ホテルが全て同じに見える病に罹患した私ですが、「エッセイ」として楽しみました。
純粋にホテルステイが好きな人なんだろうなって思わせる文章なんです。多分それはホテルを批評するわけでもなく、ありのままを受け入れてるからなんだろうなぁ。そんな彼女のホテルステイでのこぼれ話が、お上品な話で終わらずにクスっとなるオチもついているのだから親近感。
当時はお高く?とまっていたホテルも現在ググってみるとインスタアカウントがあったり、ホテルグループが別の名前に変わっていたりと時代の流れの早さにおののき、それこそ諸行無常の響きありなわけで、つくづくホテル情報はナマモノであることを思い知らされるんですが、それでも彼女の生き生きとしたホテルの描写、史実をユーモアとともに伝えてくれる文章は読んでいて楽しいのです。
著者のプロフィールが気になる
この本を読んでいて、惹かれたのはホテルではなく筆者「美野 香」。
読み始めた時は著者は男性かと思ってました。
ホテル好きって男性に多い気がして勝手に自分のフィルターを通して読んでしまったせいなんだけども。あと「女性が一人旅で高級ホテルに泊まり歩く」ってここ最近流行り始めたという認識があったので、まさか20~15年前からヨーロッパでオンナ一人スイートに泊まっているとは思わなくて。
妙に色っぽい文章を書くな~と思っていたら女性だったというオチ。
今改めて、筆者の名前を見たらどう見ても女性の名前だとは思うんですけど…思い込みってこわい。
ググってもプロフィールが出てこない!
気になったらすーぐググっちゃうのが現代人のお約束。でもどんなにググっても最低限のプロフィール(この本で著者紹介されている文のみ)しか出てこないんです。写真もなし。
なんてこった!グーグルは万能ではなかった!!
気になってしょうがないので検索結果の下の方も見てみると、とある一般人の方のブログに筆者のことがさらっと触れられていました。
その方と筆者は高校の同級生だそうで、その方のブログを読んでますます筆者の事が気になり、虜になってしまいました。
想像力をひたすらに掻き立てられる本
この本は映画の引用が多いんですが、時代の差かワタシの不勉強なのか、はたまた両方なのか…知らない映画が多くて。ピンとこない文を読むのって結構しんどいですよね。
知らないことが多すぎて、より「ホテルが同じに見える病」にかかりやすかったのかもしれません。
男前な筆者に惚れた
今でこそ色んなホテルの情報がスマホ一つで手に入る時代ですが、15年前にヨーロッパのホテルを泊まり歩いたものが出版されたらかなり貴重な情報源ですよね。まぁ当時の日本に高級ホテルにステイという価値観が普及していたのか怪しいけど。
外資ホテル「新御三家」は90年代ですが、ペニンシュラ、リッツカールトンなんかは2007年開業ですしね。相当時代の先端を突っ走っていたのではないでしょうか。
オンナ一人、高級ホテルで取材。現代でも十分カッコいいのにそれを何年も前に実行して本まで出版している!惚れ惚れします。
なんといっても美野香さん自身の魅力が溢れ出て仕方がない本でした♡
★3.2