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【本】双葉十三郎 ミュージカル洋画ぼくの500本
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500本も⁉双葉十三郎をこの本で知る

例のごとく図書館でフラフラしていたときに見つけた一冊です。
この本の著者である、双葉十三郎さんが執筆した本がデデン!と集められており、私は無知ゆえ存じ上げないがきっと業界内では著名かつ重鎮なのであろうと拝察。
にしても、ミュージカル映画で500本って。一日一本観ても一年半くらいかかるじゃないの。

ミュージカル映画好きには気になる一冊

今でこそレミゼラブルで勢いづいて、ラ・ラ・ランドで大当たり?してミュージカル映画が最近は元気だけれども、それまでは斜陽ジャンルで大人が観るミュージカル映画は一本出ても、その後が続かないイメージ(素人感覚)なんです。
ディズニーもミュージカル調は少なくなってしまって(アナ雪は大当たりでしたね)寂しい限り。

だもんでミュージカル映画を観るとなるとやっぱり昔の映画に走りがち。
でも知識がないとどの映画が面白いのか、圧巻のダンス、歌を披露してくれるのか分からないんですよね。

見るまでに下調べで時間がとられるのがネック。
そんな事情もあってこの本に強く惹かれたのでした。

圧巻の500本レビュー

中身は両開き2ページで大体、映画2~3本の批評が載っています

中身が読めちゃうとマズいかな?とモザイクかけちゃってますけど、1本の批評があっさりとしているのも良い。
ちなみに写真のページはこの前映画になった「アリースター誕生」のリメイク元。しかも二本。
実は30年代からこのお話(ドラマ版だけど)はあるみたい。
双葉さんが生きていたら、ガガ様の「スター誕生」はどうですか?と聞いてみたいな笑。

 

ちなみにこのブログで感想綴ってます。褒めてるんだか、けなしてるんだか迷いが見える文章ですが。。

★評価制度は双葉さん発祥とかなんとか

双葉さんについて軽くググってみると、どうやら映画の評価を★で点数を付けたのは、この方が始まりとか。
でも★の点数の付け方が独特で、☆が20点★が5点
満点の☆5個はなく、最高点が☆4★2。
始めは、独特すぎてパッと見で点数の高い低いが分かりづらくて、見づらいなあ!と思っていたけど、まぁ…慣れます笑。
今では色んな人が(私も)星で映画を評価しているけど、そのきっかけを作った人って時点でもう凄い人ですね。

なんと10年代の映画から00年代の映画まで

年代順の索引を見てみるとなんとまぁ20年後半からボチボチ出てきますが29年の作品はそれなりのボリューム。20年代って…今から約100年前!!ひぃ。
最古は19年。2019年じゃないですよ、1919年。
驚くのが00年代の映画もちゃんと観ているということ。さすがに鬱映画で有名な「ダンサーインザダーク」はなかったけど。でも直近06年までが収録されてます。
にしても結構30.40年代の批評もそれなりにあるのが驚き。

ポツダム宣言まだ受諾してないよ!なんなら30年代はまだ第二次世界大戦前!!

戦前から映画評論活動をしていたというのだから、ハイカラな人だったのでしょう。

みんな大好き!ディズニー映画まで網羅!

私個人のミュージカル映画が好きになるキッカケがディズニー映画なんですけれども、この本にも何本かディズニー映画が収録されています。
面白いのが、天下のディズニー様を「泥臭い」だの「面白くない」だの「グロテスクの極み」だの言いたい放題!笑。
言いたい放題、書き散らかしても嫌味にならないのは実に羨ましい笑。そしてあそこまでディズニーをコケにできたのも時代ですよね。

著名な人が世界のディズニーを全力でディスってるのを見たことがないので、面白かったです(共感したかどうかは別)
でも公平な人柄が出ていて、褒める作品はちゃんと褒めていますよ。白雪姫とかポカホンタスとか。
個人的にはアラジンの批評が読みたかった。

第一線で長く活躍してきた人の知識、熱量に脱帽

本当に凄いなと思ったのが巻末に付いている、双葉さんが500本の収録作品から選んだ、好きな歌がある映画、ごきげんダンス場面がある映画など、読者が求めているシーンを抜粋して、場面別おススメ映画集としてまとめているところ。
彼はミュージカル映画以外の映画ももちろん大量に観ているわけで、普通あれだけ観ていたら場面を抜粋してまとめるほどの記憶力もないし、内容がごちゃまぜになると思うのですが、これからミュージカル映画を楽しもうとしている者には本当にありがたい仕様となっております。

平易な文章で読みやすくユーモアもあるのでダレない

「双葉十三郎」名前からして、明治、大正生まれの渋い(読みづらい)文章を書く人なのかな?と覚悟して読みましたが、なんのその!
知識がない人にも読みやすい文で、ユーモアを交えつつ評論していくので読み手も肩に力を入れずに読めるのが良い!
シンデレラを論じた最後の一文が「シンデレラも死んでれら」

…親父ギャグ!!

どうしても言いたかったんだね

一家に一冊置いておくべき本

図書館で借りてきたけど、これは購入していつでも読めるようにしておきたい一冊。
完全に昔の映画ガイドブックですね。
星基準で観たいものを決めてもいいし、ダンスシーンで決めてもいい。使い勝手のいい本だなぁと思います。
これからこんなに情報量が豊富で人間味がある本が出てくることがあるのかな?多分ないだろうな。
ということで★4.5!

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