アマプラで評判の良いオッドタクシーを観たよ!ほのぼの系アニメかと思いきや、丁寧に作り込まれたミステリーでビックリしました。
見ていて心がえぐられるエピソードも多いので完全に大人向けのアニメです。
メインとなるラストはわりと予想はついていた人が多いと思いますが、散りばめられた謎をどうやって回収していくのかが見どころです。
今回はネタバレも含みつつ、オッドタクシーの伏線回収と残された謎について語ります。個人的な推しといまいちだったポイントについても書いていこうかな。
長期休暇の暇つぶしの参考になれば幸いです。
Contents
オッドタクシーのざっくりとしたあらすじ
セイウチの中年タクシードライバー・小戸川(おどがわ)が主人公です。
小戸川がお客さんを乗せるうちに大小さまざまな事件に巻き込まれていきます。
作品の軸となる事件が練馬の女子高生行方不明事件です。この事件をきっかけに、裏社会との繋がりや警察官との争い、身に覚えのない内容で命を狙われてしまうことに。
本来なら全く関わりのなかったはずの人々の会話・行動は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていきます。
小戸川の過去が4つの事件と絡み合う
小戸川自身の過去と現在の事件が複雑に絡み合いながらストーリーは進んでいきます。
一見、小戸川にまったく関係ないキャラの話でも、紐解いてみると関わりがあるのでどのエピソードも見逃せません。
過去と現在、小戸川と他のキャラ達が複雑に交わるストーリーのアニメです。
ここから先はネタバレです!
オッドタクシーアニメと映画との違い
アニメと映画の違いはほぼありません。アニメのダイジェスト版と未公開シーンを編集したものが映画化されています。
アニメの最後で小戸川のタクシーに和田垣が乗り込むシーンがあるのですが、その後どうなったかが軽く描かれているようです。
もう一度同じ話をなぞるのは個人的に辛いので笑、私は映画を鑑賞していません。
アニメとオーディオドラマでいいかな~という感じです。
オッドタクシーの鮮やかな伏線回収
オッドタクシーの醍醐味といえば、鮮やかな伏線回収と考察したくなる余白です。
伏線回収と考察したくなる代表的なポイントを見ていきましょう。
- 可愛い動物キャラとストーリーの違和感
- タクシーにあるお守りの意味
- 「ditch11」と笑福亭呑楽消しゴムの流れ
- 小戸川の押し入れにある謎
映画や小説でありがちなミスリードから、違和感のない叙述トリックまで見どころ満載です。
このアニメはふいに画面に映る小物や動きに大きな意味を持たせているため、ながら見だと100%楽しめません!真剣に鑑賞しましょう。
可愛い動物キャラとストーリーの違和感
アニメを観始めてまず最初に感じる違和感は、可愛い動物キャラが登場する割にストーリー展開がシビアなことです。
どういった感情で鑑賞すれば良いのか分からなくなります笑。
小戸川の周りで起こる事件が、今の社会状況を的確に表しており、しかもキャラそれぞれのコンプレックスを起因とするため、観ていてなかなかツラいです。
ただ、この違和感は小戸川の過去を解明するにつれて解消されます。
最終話で種明かしされますが、勘の良い人ならアニメの中盤で小戸川視点だと動物に見えることに気付くはずです。
タクシーにあるお守りの意味
小戸川のタクシーのバックミラーにぶら下がっているお守りは、過去から現在までの一連の事件に重要な繋がりを持ちます。
小戸川がぶら下げているお守りは双子警官の大門兄弟も所持しており、交通遺児育英会から授与されたものです。
大門兄は交通遺児育英会からのお守りだと分かっているため、小戸川に「俺たちは最初から仲間だ」と伝えます。
そして、交通遺児育英会の大元はサウナでよく顔を合わせるマレーバクのおじさんでした。
ヤノとドブ マレーバクのおじさんとの約束
マレーバクのおじさん=反社の黒田だったわけですが、ここでストーリーとして重要となるポイントが、どんなシノギをしてもいいが”人殺しはするな”です。
反社とはいえ、交通遺児のサポートをしている黒田からすれば、理不尽に人の命を奪われるのは望んでいなかったのでしょう。
反社活動と寄付行為は相反するものですが、マレーバクのおじさん(黒田)の信念ということでストーリーの整合性が取れています。
「ditch11」と笑福亭呑楽消しゴムの流れ
あらゆるエピソードのなかで最もぶっ飛んでいる田中革命は初めて見たとき衝撃的でした。
「ditch11」と呑楽消しゴムの流れをおさらいしましょう!
田中が小3のときに珍しい消しゴム集めブームが起こり、現在の大きな事件に繋がります。
まず、田中が狂人となった経緯を確認しましょう。
- 呑楽消しゴムを手に入れるために使ったネットオークションの相手アカウント名がditch11
- スマホゲーム『ズーロジカルガーデン』のトップがditch11
- スーパーレア”ドードー”を当てたときに小戸川のタクシーに轢かれかける
- スマホ故障→ゲームのデータ回復できず”ドードー”消失
不遇の田中ですね…。
呑楽消しゴムの流れは以下のようになると推測&アニメで判断できます。
呑楽師匠→マレーバクのおじさん→ドブ→白川さん→小戸川
ちなみに、田中は小学生のころからインコを飼っており、大人になる頃に死んでいます。
ここでポイントとなるのが、ドードーも呑楽消しゴムも鳥がモチーフということ。しかも、大人になった田中はこの全てを手に入れられないままという…切ない。
小戸川の押し入れにある謎
小戸川の押し入れに話しかけるシーンは練馬女子高生殺人事件の関係者と疑われるミスリードです。
最後のエピソードで小戸川がビビりながら押し入れに話しかけると…本物の猫がでてきます。
すべての人間が動物に見えていた小戸川は、家に居付いている野良猫も人間だったらどうしよう…という恐怖があったのでしょう。
まぁ、ここも猫とはわからないまでも、なんとなく人間以外の動物だと気づいた人はいるかもしれませんね。
伏線回収しきれなかった謎の考察
全てが綺麗に伏線回収されているオッドタクシーですが、個人的に「あのシーンはなぜ起こった?」と疑問に思う謎を挙げていきます。
伏線回収しきれなかった謎の考察です。
謎1.小戸川がマレーバクのおっさんに利用されなかった
小戸川がマレーバクのおじさんに悪いことに利用されなかったのはなぜなんでしょう?
ドブや大門兄はしっかり悪事に加担させられていたわけで。
自分の意志でマレーバクのおじさんに報いたいという意志があったような気もしますが(記憶が曖昧)小戸川も恩返ししたい気持ちを何度も吐露しているのでね。
小戸川が記憶をなくしてすべての人間が動物に見えている障害をマレーバクのおじさんも把握していたのでしょうか?
ストーリー展開上の問題ですかね。私が何か見落としているなら、コメントで教えてください!
謎2.山本に殺されかけた時に白川が現れた
この謎は比較的いろいろなサイトで指摘されていることですが、人気(ひとけ)のいない工事現場(?)で小戸川が山本に絞殺されかかったときに、白川さんが現れます。
突然現れるので、なんで??となるのですが、個人的な解釈でいくとストーリー展開上必要だったという結論に落ち着きました笑。
オッドタクシーって緻密な仕掛けが散りばめられていることが高評価に繋がっていると解釈していますが、白川さんは圧倒的ファンタジーだなって思います笑。
海に沈んでるタクシーのドアをカポイエラでぶち破るところとか…ね。
オッドタクシーの見どころ
オッドタクシーはファンシーな絵柄とシビアなストーリーのギャップがすごい作品です。ただシビアなだけでなく、人を惹きつける見どころがあります。
- 無駄な情報が一切ない
- 考察したくなる構成
- シリアスなミステリーをポップに
- クオリティの高いラップ
- 話数ごとに畳み掛ける伏線回収
丁寧に作られた作品だなと分かるはずです。
無駄な情報が一切なく全て繋がっている
ストーリーに無駄な情報が一切なく、全て繋がっています。そのため、オッドタクシーファンは何度もアニメを見返すらしいです。
この記事を書いていて気づいたのですが、オッドタクシーはアニメと同時期?にYouTubeでオーディオドラマも配信していたようです。
このオーディオドラマがアニメで回収しきれなかった伏線をしっかり回収している構成になっており、また新たな考察の余地を残す作品のため聴きごたえがあります。
思わず考察したくなる構成
オッドタクシーのすごいところは、自分で考察したくなる作品に仕上がっていることです。
たとえば、オーディオドラマの2.5話”絶対絶対秘密だよ♥”は、ミステリーキッスのメンバーが持つ秘密を3つずつ告白する話です。
アニメに絡む重要な情報や誰が言ったのか分からない微妙な内容が音声で流れてくるため、ついつい情報を整理して考察したくなるんですよね。
シリアスなミステリーをお笑い芸人でポップに
シリアスなストーリーをお笑い芸人を登場させることで明るくポップな一面を持っています。
オッドタクシーはファンシーな絵柄と対照的に、本格的なミステリー要素満載のストーリーです。そのため、お笑い芸人のボケやツッコミがないと、ずっとシリアスなままストーリーが進んでしまいます。
コンビで搭乗するキャラクターは本物のお笑い芸人が演じているので、自然な掛け合いも魅力です。
たとえば、賞レースを狙っているホモサピエンスはお笑いコンビ・ダイアンが、双子の警官役は兄弟漫才コンビ・ミキが声優を勤めています。
クオリティの高いラップ
ドブのライバル役として、ラップで言いたいことを伝えるヤノが出てきます。
そのヤノのラップが本当にクオリティ高くてビックリ!!思わずググると、本物のラッパーがヤノ役を演じています。
ヤノが初登場するシーンはゴリゴリのラップバトル風な言葉選びで思わずニヤニヤ。
韻を踏みつつ音楽にノリつつ、セリフを分かりやすく伝えるのは、難易度高かったんじゃないかな。
話数ごとに畳み掛ける伏線回収
話数ごとに畳み掛けてくる伏線回収の流れは圧倒的です。
オッドタクシーの最初の方は全く話が進まない&色々なキャラクターの事情説明があるため、退屈に感じられるかもしれませんが、、我慢して!!!!!
中盤から、ストーリーの全貌が見えそうで見えないもどかしさで次が気になってきます!
そして後半で一気に多くの謎、そして登場キャラたちの隠れた繋がりが出てくるため、絡まった糸がスーッとほどけるような気持ちよさをおぼえるはず。
オッドタクシーがつまらないと感じるポイント
Amazonプライムでも評価が星4.5と超絶高評価なオッドタクシーですが、個人的に「ん?」と感じるポイントがありました。
- いかにもすぎる伏線
- 上手いこと言おうとしすぎるセリフ
- 突然のファンタジー
オッドタクシーファンが多いなか、マイナスポイントを挙げるのは怖いのですが…個人的な感想なのでお手柔らかにお願いします。
いかにもすぎる伏線
ふだんミステリードラマや小説を嗜まない人でもわかりやすいように、重要なポイントはわかりやすい伏線で構成されています。そのため、勘の良い人はだいたいの先が読めてしまうかもしれません。
ただし、オッドタクシーはミステリー好きのため?に本編のアニメとオーディオドラマの二本立てで構成されています。
オーディオドラマを聴くことで「もしかしてこのシーンはこういうこと!?」とミステリー具合に深みが出ているため、謎解き・考察好きにも支持されているという形です。
「ラジオを聴く習慣ないよ!」や「オーディオドラマを聴く時間的な余裕はないよ!」という人だと、アニメのみになるのでちょっと不完全燃焼感があるかも。
上手いこと言おうとしてグダグダなツッコミ
登場人物みな、ツッコミが長い~~~~!!!上手い例えを挙げながら突っ込むからダラダラしたツッコミが多い~~~~!!!
もうここは好みの問題になってくるけど、ボケたら鋭い一言で突っ込んで終わらせて欲しいタイプなので、冗長に感じてしまいました。
漫才とかお笑いとか好きなタイプならまた感じ方が違ったのかも。私はお笑いにはあまり興味がないタイプなので…
突然のファンタジー
緻密に構成された叙述トリックが売りのアニメなのに、アニメだからこそなのか、、突然のファンタジーについていけなくなるときがありました。
基本、オッドタクシーは現代社会で生きる人が抱える闇・心の傷を丁寧に描くアニメです。つまり、ストーリーが妙にリアルなんですよね。
しかし、都合のいい箇所だけ弾けきれないファンタジーが登場します。
主に白川さんにまつわるシーンでファンタジーがさく裂しているかな。というか、白川さんはファンタジー枠なのかもしれません。
ミステリー小説ファンだと物足りないと感じるかも
オッドタクシーは考えに考え抜かれたストーリーで鮮やかな伏線回収が魅力のアニメですが、ミステリー小説ファンだと物足りないと感じる人もいるかもしれません。
というのも、伏線回収に重きを置きすぎて、登場人物の心情に寄り添えないまま話が進んでしまう傾向にあるからです。
主人公が癖アリだと、たいていお付きのキャラが人間味のある性格(たとえばホームズとワトソン君)で親近感を覚えてグッとストーリーに引き込まれたりするものですが、そういった感じではありません。
オッドタクシーの場合、小戸川が孤独を好み皮肉屋なタイプのため、序盤はどのキャラに心を寄せて鑑賞すれば良いのか悩みます。
中盤から、主治医かつ、まともな立ち位置の剛力が事件解決のキーマンとして動き始めるため、観やすくなりますがグッと物語に引き込まれる感覚は少ないかも。
謎解き感覚で鑑賞したときに評価が上がるアニメのような気がします。
ということで、わたしの点数は星3.5です!
個人的に伏線回収が鮮やかで熱狂したアニメはシュタインズ・ゲートです。
時代を感じるキャラの濃さに耐え切れず離脱する人が多いのは残念ですが、よく練られたストーリーだと思います。気になる人はぜひ見てみてね!!
オッドタクシーを見るなら、以下の動画サイトがおすすめ!
オッドタクシーは漫画化もされているよ!