【映画】大統領の料理人 美味しそうな料理と現実はそんなもの

B!

連続して料理映画ネタですが、今日はフランス映画。この前はアメリカが作ったロンドンが舞台の映画でした。

主演はカトリーヌフロ。2012年公開です。
こちらも実際に大統領官邸に女性初として仕えたダニエルデルプシュとういう方をモデルにした映画です。
記事を書く際に軽くググってみたら、彼女のインタビュー記事も出てきました。こちら→インタビュー記事

ちなみにミッテラン大統領役は役者さんじゃなくて高名な哲学者!!フランス語がわかるわけでもなんでもないけど、妙にテンポが崩れるなぁ?おじいちゃんすぎるなぁ?と思っていたのでちょっと納得。

大まかな流れとしては、現在働いている南極から以前の職場である大統領官邸への回想をしながら、現在の状況、これからへとつながっていきます。

オンナが男社会で働くという事

まず、田舎のフランスでのんびりと営んでいる人がまさか突然、大統領の料理人に指名されることがあるんか?と思ってみていたのですが、そこはなんとなく元々界隈では有名であったことがさりげなく?示されています。

そしてカトリーヌフロ扮するオルタンスが担当するのは、大統領のプライベートなときのお料理。彼女は自分が何のために指名を受けたのか察知して、華やかではなくとも手が込んだ美味しそ~な料理が次々と出てきます。見ているこちらのお腹がぐぅ~となりそうなお料理たち。。

すぐに大統領にも気に入られます。
が、元々働いているシェフにとっては、女性が新たに担当することも大統領が彼女の料理を気に入ることも面白くないことは容易に想像がつきますよね。

元からいるシェフ達の悪い顔がとても印象的。。あからさまな皮肉や表情、、思わず「いるよね!こういう人!!」と言いたくなるようなそんなシーンも。オルタンス一人で孤軍奮闘しているわけではないけど、でもやっぱり当時、オンナ一人責任をもって働くというのは孤独。

カトリーヌフロのチャーミングな笑顔に癒される

オルタンスの意志の強さというか、周りを気にしない鈍感力とチャーミングな笑顔が映画の肝。

もうカトリーヌフロの虜になっちゃいました♡
鈍感力が武器にも、そして彼女の首を絞めることになるのですが、ちょこちょこ笑いどころもありますよ。

ちょっと感動したのが、ハードな職場なはずなのに足元は絶対パンプスなところ。パンプスで街を走り回るシーンでは「足痛くない?」と老婆心がムクムク笑。さすがフレンチマダムです。
そして彼女もキレるとお皿投げるし、ふざけて食材も投げます笑。ゲルマン系の方は投げるのがお好きなようで。。
デザート担当の二コラと給仕長とのチームワークは青春映画を観ているような、ワクワクするものがあります。

 

何が起きても、ベストを尽くす。
ただそれだけを愚直にやり続けるのですが、主人公が女性だからか(思わず自己投影してしまい)精神的な疲労と肉体的な疲労が見えてきたときには、胸がぎゅっとなりました。。

そう、人生はドラマチックではないことも多い

この映画が製作された時、大統領官邸のメインのキッチンを担当していたシェフも存命で、色んな人のしがらみ?もあったのか勧善懲悪の単純なストーリーではありません。
ストーリー上どの立場の人もみんな真剣に自分の与えられた役割を果たそうと必死。客観的にはオルタンスをいじめ、追い詰めるTHE悪人はいません。

でもなんとなく、仲間はいても官邸内で自由を失っていき心身ともに疲れ果てていく様子は、妙に現実味があって虚しさを噛みしめる映画になっています。

憎たらしい奴がいても完璧な悪とは言えないのって現実もそう。

最後は新しいことに挑戦するオルタンスの笑顔に救われます。

といことで★3.5!

 

 

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