【本】ダーリンはFBI 笑えて切なくなるツボ多数

これノンフィクションです

題名からして、ただならぬ雰囲気を醸し出しているこの本。一目惚れして借りてきました。

読後に筆者のことが気になって彼女のブログを一気読みしましたが、当時は出版後、部数で苦戦したみたいですね。こんなに面白いのに。

とある日のブログで、本屋で女子高生が「ダーリンはFBIってダーリンは外国人のパクリじゃーん!」とディスっているところに筆者が遭遇したらしく、悲しんでいることが綴られていました。

女子高生の気持ちも非常にわかるけど、そんなシーンに遭遇したらブログにすら書けなくなるくらいメンタル削れるな。私だったら。

でもでもでも面白いから!なんならここに続編希望してる人いますがな!

私以外にも面白いと思った人は多かったようで、ベストセラーこそならなかったものの評判は良く、アマゾンのプレビューも高評価なことからドラマ化もされたようです。

80~90年代のお話

時代は遡ってバブル終焉くらいのハナシでしょうか。ちょこっと時代を感じるところは所々あるけど、昔制作された二時間ドラマを見ている気分で読み進めます。

個人情報がガバガバに緩かった時代のハナシとはいえ、ダンナ様はストーカー気質だったのかな笑。

FBIで習得した心理作戦で見事ダンナ様の手中に収まってしまった筆者。

今なら絶対にあり得ない馴れ初めだけど、逆にそれがロマンチックで少女漫画的なストーリーで乙女(だった)私のハートを鷲掴みに。

強引で愛に溢れたダンナ様

少女漫画バリに強引に自分のペースに持って行こうとするダンナ様。でもその行動にあるベースは筆者への愛があるからこそ。

あれよあれよという間に結婚してしまうのにはビックリ。そして日本へ来日。

読み終わって感じるのは、早くFBIという組織から離脱したかったのかな…と。

意外と筆者もぶっ飛んでる

ダンナ様のぶっ飛びエピソードがさく裂するこの本ですが、そのぶっ飛びエピソードに文句を言いつつもちゃんと従う筆者もなかなかだなと私は感じました笑。

だって、トイレに入るときに敵の不在確認する!?恐らく私なら彼の監視下外では普通に出入りするでしょう。

そこをちゃんと守るあたりダンナ様の気迫が凄いのか、筆者がダンナ様をたてるタイプなのか。。

元麻薬捜査官FBIの悲しい性

この本で初めて知ったのですが、当時のFBIは犯人を逮捕すると名前が新聞に載ったみたいです。

「そりぁ、危機管理にも敏感になるよね、アメリカ抜けだしたくなるよね。」と頷きながら読みました。名前がバレてたら犯人グループの報復にも怯えるでしょう。

特に娘さんが風船で遊んでいて、風船を割ってしまったときのダンナ様の様子で、FBI生活の厳しさを察する母娘。

読んでいる私たちも想像を絶する世界が存在することに気付かされます。

オウム真理教の事件をプロファイル

ダンナ様いわく、周回遅れで犯罪も海外から持ち込まれる日本。

例えば、犯罪がグループ単位になること、電話口では名前を名乗ってはいけないこと…この10年ほどで定着した常識もダンナ様は結婚当初から警鐘を鳴らしていたそう。

警鐘を鳴らしている最中の、オウム真理教のサリン事件が発生。

アメリカと連絡を取り合って分析し、サリン事件は再び起きること、一回目よりも大規模な形で起きること(地下鉄サリン事件)を見事に言い当てた所ではドキドキしました。

嫁に求める難易度高すぎ問題

そんな危機管理能力高すぎなダンナ様ですが、奥様に求める能力も高すぎなエピソードがたくさん。

でもこれが筆者である田中ミエさんをバリバリのキャリアウーマンに変身させていくんです。

人は見た目で全てを判断するって言われても、頭では理解しているけどなかなか外見まで手が回らない時期だってあります。でもそれは絶対NGとしたダンナ様。

鬼だな~と思いながら読みましたが、ダンナ様のアドバイスを忠実に守った彼女は仕事でも手ごたえを感じていきます。

実は筆者のサクセスストーリーの本でもある

この本はダンナ様との爆笑な生活を描いたものに見せかけて…実は自己啓発本?ってくらいダンナ様が筆者にアドバイスする内容が現代に通ずるものがあるんです。

主に対人関係なんですが、例えば「初対面の人には二度微笑む」とか。

超絶人見知りな私には無理~!自分に自信が出来ないと無理ですよね。でも微笑まれると一気に距離が縮むのも経験済み。うむむ

「ブランドショップへ行って自分の扱われ方が今の自分の立ち位置」なんかは、もう納得の嵐!ラフな格好で行くとまともに相手してくれませんもんね~。

ちょっとでも筆者がブレると、鬼教官(ダンナ様)のスパルタ教育が始まるのですが着実に仕事で結果を出していく彼女。

しかし、そんなダンナ様は日本に馴染めないまま(馴染もうとしなかった?)10数年以上の時が過ぎ。。段々と故郷を思い出すようになるダンナ様の様子が、新婚の頃の頼れる元FBI捜査官とは対照的で哀愁漂うのが切ないです。

文庫本、kindleでは追加されたエピソードがあるらしい

田中ミエさんのブログを一気読みした私ですが、予想外なことにこの本が出版されて間もなくにダンナ様が亡くなられたそうです。

彼女のブログは本作同様、さっぱりとした文章で淡々とした報告でしたが逆に行間から彼女の悲しさが滲み出ていているような気がして…

私は文庫本ではない方を読んだのですが、どうやら文庫本には「最後のミッション」という項が加筆されているらしいです。

中身が気になってググってみたけど、ネタバレしているものが見当たらない~!!

これは再度文庫本を借りて読むべきなのか…!アマゾンレビューでも皆さん「最後のミッション」に言及してるから、きっとこの項が肝になっているに違いない!

あぁこれは文庫本読まなくちゃ。。

中身モリモリの良書!

文化の違いを描いた爆笑エッセイかと思いきや、平和ボケした日本への警鐘本であり、女性が自分の力でサバイブできるようになるための自己啓発本であり内容はとても濃いです。

なんといっても独善的で今なら糾弾されかれない(笑)ダンナ様の行動の裏にある愛を感じ取って、受け止める彼女の懐の深さには恐れ入ります。

内容盛りだくさんすぎるので!
★4.8!

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